Claude Code v2.1.31 — PDFサイズ・サンドボックス・streaming温度など、長期運用の引っかかりを整備
Claude Code v2.1.31はPDFサイズ上限でのセッション永久ロック、サンドボックスの誤検知、streaming APIでのtemperatureOverride無視、plan modeクラッシュなど、長期セッションで踏むと厄介な不具合をまとめて潰したパッチリリースです。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.31は11項目を含むパッチリリースで、長時間セッションが壊れる / 設定が黙って効かない系の地味なハマりどころが複数同時に塞がれます。新機能は2件の小粒UX調整に留まりますが、修正側のインパクトが大きい版です。
- PDFが大きすぎてセッションが永久ロックする不具合を解消(復帰のために新規会話を起こすしかなかった状態が直る)
- サンドボックス有効時にbashコマンドが誤って「Read-only file system」で失敗していた問題を修正
- streaming APIで
temperatureOverrideが無視されて常にtemperature=1で走っていた不具合を修正(精度検証が黙って崩れていた可能性のある項目) - plan mode突入時に
~/.claude.jsonのデフォルト欠落でクラッシュしていた問題を修正
あなたの開発フローはどう変わるか
大きめのPDF / plan modeを多用するワークフロー
PDFサイズ上限を超えるファイルを投げ込むと、そのセッション全体が使用不能になり、新しい会話を起こす以外に復帰手段がない状態でした。本版以降はエラーが返ってもセッションは継続し、PDFやリクエストサイズのエラーメッセージには実際の上限値(100ページ / 20MB)が示されるようになります。何MBまで通るのか試行錯誤する手間が消えます。
plan modeに入る瞬間に~/.claude.jsonのデフォルトフィールドが欠けているとクラッシュしていた問題も解消されているため、plan modeを常用しているチームの体験が地味に安定します。
streaming API経由で精度検証している運用
最も気付きにくく、影響が大きい修正がここです。streamingパスを通る全リクエストが、設定に関係なくデフォルト(temperature=1)で走っていたため、精度検証や安定性のために温度を下げているケースで、プロンプトを変えていないのに出力が揺れる現象が起きていた可能性があります。
| 項目 | これまで(streamingパス) | 本版以降 |
|---|---|---|
temperatureOverride 設定 | 黙って無視 | 設定通りに反映 |
| 出力の再現性 | temperature=1で揺れていた | 設定温度通り |
| 過去の精度評価 | 意図せずtemperature=1で測定 | 設定通りに再測定可能 |
過去の精度評価結果がtemperature=1で出ていた可能性があるため、streaming経由で評価ループを組んでいた場合は再測定を検討する価値があります。
サンドボックス有効でCIを回している運用
sandbox modeで実行したbashコマンドが誤って「Read-only file system」エラーで失敗として報告される不具合が修正されました。CIのfalse failureが減るため、--sandboxを常用しているパイプラインでは取り込み価値があります。
厳格LSPと連携しているIDE構成
nullパラメータを拒否する厳格なlanguage serverとのshutdown / exit互換性も改善されています。一部のIDEで終了処理がきれいに通らなかった構成では、本版で正常終了するようになります。
Skills / Sub-agentsを多用している構成
システムプロンプトが見直され、モデルがcat / sed / grep / findではなく専用ツール(Read / Edit / Glob / Grep)を使うよう誘導が強化されました。bash経由だと権限ダイアログの出方やログの粒度が変わるため、「同じ読み取りならReadに寄せる」方向に揃えることで、権限モデルを回しやすくなります。
主な変更点
新機能(2件)
- セッション終了時に「resume hint」を表示:
claude --resume等での継続方法を終了直後に案内 - 日本語IMEの全角スペースをチェックボックス選択で受理: 全角スペースが入力されたときもトグル可能に
修正(5件)
- PDF too largeエラーがセッションを永久ロックしていた問題を修正
- サンドボックスでのbash「Read-only file system」誤検知を修正
- plan mode突入時の
~/.claude.json欠落クラッシュを修正 - streaming APIで
temperatureOverrideが無視されていた問題を修正 - LSP shutdown / exitで
nullパラメータを拒否する厳格LSPとの互換性を改善
改善(3件)
- PDFとリクエストサイズのエラーメッセージに実際の上限値(100ページ / 20MB)を表示
- システムプロンプトで
Read/Edit/Glob/Grepの専用ツール優先を誘導強化 - スピナー表示時のターミナルレイアウトジッタを軽減
削除(1件)
- 第三者プロバイダ(Bedrock / Vertex / Foundry)利用者向けに、modelセレクタからAnthropic API価格表示を削除(実課金と一致しないため)
streaming × temperature無視は何を見落とさせていたか
11項目の中で、もっとも見つけにくく影響が広がりうるのがtemperatureOverrideの沈黙無視です。
| 性質 | 該当項目 | 影響が出やすい利用ケース |
|---|---|---|
| セッション継続性 | PDF永久ロック / plan modeクラッシュ / resume hint | 長時間agent運用、plan modeを多用 |
| 設定の取りこぼし | streaming temperatureOverride無視 / LSP null params | streaming API経由のサブプロセス、厳格LSP連携 |
| 誤検知・誤情報 | sandbox Read-only誤検知 / 第三者プロバイダ価格表示 | サンドボックスCI、Bedrock / Vertex / Foundry |
streaming経由でtemperatureを下げて評価していた場合、設定通りに反映されているという前提が崩れていたことになります。本版以降は前提が回復するため、過去の評価結果と新しい結果を比較して、温度設定が実際に効くようになったかを確認する一手間が、精度検証ループを組んでいるチームには有効です。
前後版との位置付け
v2.1.31は、機能追加と整地が交互に挟まる流れの「整地」側に置かれた版です。
v2.1.30で大きな疲労層を剥がしたあと、v2.1.31でstreamingやサンドボックスの細かい引っかかりを処理し、v2.1.32以降の機能拡張に進む流れです。逆にv2.1.31を飛ばすと、streaming経由の精度評価が温度設定通りに走らない期間が残ったままになる点には注意しておく価値があります。
まとめ
- streaming APIで温度を下げて精度検証している場合: 過去評価がtemperature=1で出ていた可能性があるため、本版で温度設定が反映されるようになります。再測定を検討する余地があります
- 長時間セッション / plan modeを常用しているなら更新推奨: PDF永久ロック・plan modeクラッシュの解消
- サンドボックス有効でCIを回しているなら更新推奨: Read-only誤検知の解消でfalse failureが減る
- 厳格LSPと連携するIDEならば更新推奨: shutdown / exit互換性の改善
- 短い対話中心なら任意: resume hintとIME全角スペースの小調整のみ
更新はclaude updateで取得できます。
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