Claude Code v2.1.30 — PDFを必要部分だけ読み込む機能と、MCP認証の事前設定が可能に
Claude Code v2.1.30はPDFのページ範囲指定読み込み、Slack等DCR非対応MCPサーバー向けOAuth事前設定、/debugコマンド、--resumeのメモリ68%削減など、コンテキスト・メモリ・認証まわりの疲労をまとめて剥がした整地リリースです。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.30は19項目を束ねたマイナー更新で、長期運用で顕在化したコンテキスト・メモリ・認証まわりの疲労を順番に剥がしにきた版です。派手な大型機能はないものの、日常運用の詰まりに直接効く変更が多数入っています。
- PDFを
pages範囲指定で読める(大型PDFをコンテキストに丸ごと入れない選択肢) - Dynamic Client Registration非対応のMCPサーバー(Slackなど)向けにOAuth事前設定を追加
/debugコマンドでセッションのトラブルシュートを対話的に実行--resumeのメモリ使用量を68%削減(セッションを大量に抱えるユーザー向け)- プロンプトキャッシュがツール説明 / 入力スキーマの変更で正しく無効化されるよう修正
あなたの開発フローはどう変わるか
長文PDFを扱うワークフロー
仕様書・論文・契約書のような長いPDFを扱うとき、これまでは「全部読ませるとコンテキストが溢れる」「先頭しか読まない」のいずれかで詰まりがちでした。本版以降はReadツールにpagesパラメータが増え、pages: "1-5"のように必要なページ範囲だけを切り出して読み込めるようになります。10ページを超えるPDFは@filename.pdfで参照したときも丸ごとインライン展開せず、軽量な参照を返す挙動に変わりました。
Sonnet / Opusのコンテキスト上限は大きいものの、料金とキャッシュ効率の観点では「最小限だけ読ませる」方が有利です。プロダクトオーナー・法務・研究者など長文ドキュメントを抱える非CLI寄りの利用層にも効く変更と言えます。
Slack等のMCPサーバーをOAuthで運用するチーム
Dynamic Client Registration(DCR)はOAuthクライアントをサーバー側に動的登録する仕組みで、MCPのOAuth 2.0仕様では推奨されていますが、SlackなどエンタープライズSaaSはDCRを実装していないことが多く、MCPサーバーをOAuth認証付きで動かす際の最初のハードルでした。
本版からclaude mcp addに--client-id / --client-secretを渡すことで、事前発行済みのOAuthクライアント認証情報を直接指定できます。Slack向けMCPサーバーをセルフホストしている現場の「DCR非対応につき設定に詰まる」パターンが1段抜けます。
--resumeを多用する長期運用
--resumeのメモリ使用量が68%削減(セッションindexを廃し、軽量なstatベースの遅延ロード+段階的enrichmentに置き換え)されています。さらにparentUuidサイクルを含む破損transcriptで再開時にハングする問題も修正されているため、セッションを数百件抱える利用者ほど立ち上がりが軽くなる変化が出ます。/debugの追加とあわせて、長く使ううちに壊れるセッションの切り分けがユーザー側でも可能になりました。
Bedrock / Vertex / Foundry経由でコスト最適化したい
プロンプトキャッシュが従来はツール名の変更でしか無効化されず、説明や入力スキーマの変更では古いキャッシュが残っていた問題が修正されました。これは長時間Sub-agent運用や反復ワークフローでAPIコストに直接効く修正で、企業ゲートウェイ経由で費用最適化を重視している組織には取り込み価値があります。
主な変更点
新機能
| 項目 | 概要 |
|---|---|
Read tool pages パラメータ | PDF読み込みでページ範囲指定。10ページ超のPDFは@参照時に軽量参照を返す |
| MCP向けOAuth事前設定 | DCR非対応MCPサーバー(Slack等)に--client-id / --client-secretを指定可能 |
/debugコマンド | 現在セッションの挙動を対話的に診断 |
git log / git showの追加フラグ対応 | read-onlyモードで--topo-order、--cherry-pick、--format、--rawを許可 |
| Task toolの結果メトリクス | トークン数・ツール使用回数・所要時間を結果に含める |
| Reduced motionモード | アニメーション抑制をconfigで制御 |
修正
| 項目 | 要点 |
|---|---|
(no content) 空テキストブロック | API会話履歴の空ブロック混入を解消 |
| プロンプトキャッシュ無効化漏れ | ツール説明 / 入力スキーマ変更でも正しく無効化 |
/login後の400エラー | thinkingブロックを含む会話で発生していた問題を修正 |
--resumeのハング | parentUuidサイクルを含む破損transcriptで再開できなかった問題 |
| Max 20xユーザーのレート表示 | extra-usage未利用時の誤った/upgrade案内を解消 |
| 権限ダイアログのフォーカス奪取 | タイピング中のフォーカス奪取を解消 |
| Sub-agentからSDK提供MCP toolへのアクセス | 共有アプリ状態と同期されない問題を修正 |
Windows .bashrcリグレッション | bash実行不能の回帰を修正 |
改善・変更
--resumeのメモリ使用量を68%削減(session indexを廃し、軽量なstatベース遅延ロード)TaskStopツールが、停止したコマンド / タスクの説明を結果行に表示/modelコマンドが即時実行(従来はキューに積まれていた)- [VSCode]質問ダイアログの「Other」入力欄で複数行入力(Shift+Enterで改行)
- [VSCode]新規会話開始時のセッション一覧重複表示を修正
PDF部分読み込み × MCP OAuth事前設定が解く運用パターン
新機能のうち、運用へのインパクトが大きいのはこの2点です。それぞれ従来は回避策でしのいでいた問題に正面から手が入っています。
1. PDFを必要ページだけ読める
Read toolにpagesパラメータが増えたことで、長いPDFを扱うときに「全部読ませるとコンテキストが溢れる」典型的な詰まりを回避できます。10ページ超のPDFは@filename.pdf参照時にも軽量参照を返すようになったため、誤ってインライン展開してコンテキストを溢れさせる事故も防げます。
2. SlackなどDCR非対応サーバーをOAuthで繋ぐ
DCRは便利な仕様ですがエンタープライズSaaSでの実装率は低く、Slack向けMCPサーバーをOAuth認証付きで動かす際の最初の壁でした。事前発行済みクライアント認証情報を渡せるようになったことで、社内ポリシー下でMCPをOAuth運用したい現場の選択肢が一段広がります。
3. /debugは長期運用の自己診断口
/debugは現在セッションを対象にClaude自身にトラブルシュートを手伝わせるためのコマンドです。--resumeのハング修正やparentUuidサイクル対策とあわせて、長く使っているとセッションファイルが壊れて謎挙動になるケースをユーザー自身で切り分けられるようにする意図が透けます。
前後版との位置付け
v2.1.30は「整地版」と「機能拡張版」が交互に挟まる流れの結節点に位置します。
v2.1.27までで小粒な詰まりを処理し、v2.1.30でコンテキスト・メモリ・認証という共通の疲労層をまとめて剥がし、その上でv2.1.32以降の機能拡張に進む構図です。長期運用基盤の整備という観点では、v2.1.47で本格化する整備リリース路線の起点と位置付けられます。
まとめ
- 長文PDFを扱う場合:
pages範囲指定でコンテキスト溢れを回避できる更新価値があります - MCPサーバーをOAuth付きで運用するなら更新推奨: DCR非対応サーバーに正式対応
--resumeを多用するなら更新推奨: メモリ68%削減と破損transcript耐性- 企業ゲートウェイ経由でコスト最適化を進めたいなら更新推奨: プロンプトキャッシュ無効化修正が効く
- 通常CLI利用でも取り込み価値あり:
/debug、/model即時実行、reduced motion等の日常UX改善
更新はclaude updateで取得できます。19項目のほぼ全てが痒いところに手を届かせる種類の修正・拡張なので、定期更新のタイミングで取り込んでおくと数日〜数週間先のトラブルを静かに減らせます。
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