Claude Code v2.1.47 — Windows・メモリ周り68項目を整える整備版
Claude Code v2.1.47はWindows環境のバグ修正、長時間セッションのメモリ肥大対策、Agent Teams / hooks / skillsのコーナーケース潰しを束ねた68項目の整備版です。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.47は、新機能追加というより既存機能の足回りを点検した68項目の整備版です。Windows、長時間セッション、拡張機構の3領域で運用上の引っかかりが束で解消します。
- Windows環境の積年バグが束で解消(
\r\n起因の表示崩れ、hooks実行不可、MSYS2 / Cygwinのbash出力消失、CWDトラッキングtempファイル蓄積、ドライブ文字casingでのCLAUDE.md二重ロード等) - 長時間セッションのメモリ肥大に複数経路で対処(APIストリームバッファ解放、進捗更新のO(n²)解消、タスク履歴の刈り取り、セッション再開時のメモリ削減)
/resumeとコンテキスト圧縮(compaction)の耐障害性が向上(16KB超の先頭メッセージ、/rename保持、plan mode保持、session name保持)
新機能として明確なのはctrl+fによるバックグラウンドエージェント全停止、Stop / SubagentStop hookへのlast_assistant_message追加、chat:newlineキーバインドの3点です。それ以外は実質「v2.1系を本番運用に耐える水準まで底上げした整地版」と位置付けられます。
あなたの開発フローはどう変わるか
Windows環境のチーム
PowerShell / Git Bash / WSL2 / MSYS2 / Cygwinのいずれの環境でも改善が出ます。具体的には、太字・カラー装飾が本来の位置に表示されない問題、os.EOL起因で行カウントが常に1になる問題、bashツール出力がサイレントに捨てられる問題、hooks(PreToolUse / PostToolUse)がcmd.exe経由で発火しない問題、CWDトラッキング向けのtempファイルが永久に蓄積する問題が解消します。Right Altキーが[25~エスケープ残骸を入力欄に残す問題、ドライブ文字casingでCLAUDE.mdが二重ロードされる問題も塞がれています。Windowsを使っているチームには、「いつか直ってほしい」が束で片付く版と言える内容です。
長時間セッションを回す運用
数時間にわたる計画駆動セッションを動かしている場合、メモリ効率の改善が同時に複数経路で入っているので体感差が出ます。APIストリームバッファ・エージェントコンテキスト・skillステートが使い終わりで解放され、進捗更新メッセージのO(n²)蓄積も解消されます。@ファイル参照の候補提示は起動時pre-warm + セッションキャッシュで高速化、SessionStart hook実行が遅延されtime-to-interactiveが約500ms短縮されます。
/resume でのセッション再開を多用しているケース
先頭メッセージが16KBを超えるセッションが/resume一覧から消える / 取得失敗する問題が3経路で塞がれ、初期表示件数が10→50件に拡大されました。/renameで付けたカスタム名がresumeで失われる問題、コンテキスト圧縮後にplan modeが実装モードに切り替わる問題、session nameが消える問題も修正されています。長時間セッションを途中で止めて再開する運用に直接効きます。
hooks / skills / agent teamsを開発しているケース
Stop / SubagentStop hookにlast_assistant_messageフィールドが追加され、transcriptをパースせずにClaudeの最終応答に直接アクセスできます。skillのname / descriptionが数値リテラル(name: 3000)だとクラッシュ、argument-hintがYAML sequence([topic: foo | bar])だとReact #31エラーといった、書き手が踏みやすいコーナーケースが片付いています。git worktreeから起動した時にプロジェクト直下の.claude/agents/ / .claude/skills/が見つからない問題、user定義agentがNFS / FUSE(inode=0)で1ファイルしか読まれない問題も修正されています。
バックグラウンドエージェント運用
ctrl+fで全バックグラウンドエージェントをまとめて停止できるキーバインドが追加されました。これまでESC二度押しでcancellationを発火していたところを明示的なkillに分けた形で、メインスレッドをcancelしてもバックグラウンドが継続することと組み合わせ、エージェントのライフサイクルを細かく制御できます。
日本語TUI利用
CJKの全角文字でタイムスタンプやレイアウト要素がずれる問題が修正されました。日本語で長文セッションを回す用途でレイアウトの安定性が上がります。
主な変更点
68項目に及ぶため、性質別に並べます。
Windows環境の改善
- 太字 / カラー装飾が
\r\n起因で誤った位置にかかる問題を修正 - 行カウントが常に1と表示される問題を解消(
os.EOL依存除去) - MSYS2 / Cygwin shellでbashツール出力がサイレントに捨てられる問題を修正
- WSL2でWindowsコピーのBMP画像貼り付けが失敗する問題を修正
- hooks(PreToolUse / PostToolUse)がcmd.exeでサイレントに失敗する問題を、Git Bash経由に切り替えて解消
- CWDトラッキングtempファイルが永久に蓄積する問題を修正(#17600)
- ドライブ文字casing差異でCLAUDE.mdが二重ロードされる問題を修正
- Right Altキーが
[25~エスケープ残骸を入力欄に残す問題を修正 - ドライブ文字casing差異でworktreeセッションマッチングが失敗する問題を修正
メモリ効率・パフォーマンス
- APIストリームバッファ・エージェントコンテキスト・skillステートをツール実行後に解放
- 進捗更新メッセージに残るO(n²)の蓄積を解消
- タスク完了後のエージェントタスクメッセージ履歴を刈り取り
@ファイル参照を起動時pre-warm + セッションキャッシュで高速化- SessionStart hook実行を遅延させtime-to-interactiveを約500ms短縮
/resume とコンテキスト圧縮の安定化
- 先頭メッセージが16KB超のセッションが
/resume一覧から消える / 取得失敗する問題を3経路で修正 /resume初期表示件数を10→50件に拡大/renameで付けたカスタム名がresume後に消える問題を修正- コンテキスト圧縮後にplan modeが失われ実装モードに切り替わる問題を修正
- コンテキスト圧縮後にsession nameが消える問題を修正
- PDFを大量に含む会話で圧縮がAPI側で失敗する問題を、document blockを事前にstripして回避
hooks / skills / agent teams
- Stop / SubagentStop hookに
last_assistant_messageフィールドを追加 - statuslineのJSON
workspaceセクションにadded_dirsを追加 - plugin agentのskillがbare name参照でサイレントロード失敗する問題を修正(#25834)
- skillの
name/descriptionが数値リテラルだとクラッシュする問題を修正(#25837) - skillの
argument-hintがYAML sequenceだとReact #31エラーでクラッシュする問題を修正(#25826) - git worktreeから起動時にプロジェクト直下の
.claude/agents//.claude/skills/が発見されない問題を修正(#25816) - user定義agentがNFS / FUSE(inode=0)で1ファイルしかロードされない問題を修正(#26044)
ctrl+fで全バックグラウンドエージェントをまとめて停止するキーバインドを追加- Agent Teamsのteammate navigationをShift+Down一方向(wrap付き)に簡略化
- custom agentの
modelフィールドがteam teammateに引き継がれない問題を修正(#26064)
TUI / 入出力
- CJK全角文字でタイムスタンプ・レイアウトがずれる問題を修正(#26084)
- inline code span(``)が誤ってbashコマンドとして解釈される問題を修正(#25792)
- backslash-newline継続(
\分割の長いコマンド)で空引数が混入する問題を修正 - 同時並行エージェントによる
thinking blocks cannot be modifiedの400エラーを修正 - Edit toolがUnicodeカーリークォートを直線クォートに置換する問題を修正(#26141)
- OSC 8ハイパーリンクが折り返し先頭行のみクリック可能だった問題を修正
- 組み込みスラッシュコマンド(
/help/model等)がuser skill多数時にオートコンプリートから隠れる問題を修正(#22020) /renameがターミナルタブのタイトルも更新するように(#25789)- VS Code plan previewがiterationに合わせて自動更新、reject時にプレビューが閉じずClaudeが修正可能に
セキュリティ・許可ロジック
- bash permission classifierが返すマッチ説明を実ルールと突合して検証(モデル側の幻覚説明で誤って権限付与する経路を遮断)
- 「Always allow」の複数行bashコマンドが不正な許可パターンを生成しsettingsを破壊する問題を修正(#25909)
- LSP
findReferencesがgitignore済みファイル(node_modules//venv/等)から結果を返す問題を修正(#26051) - read-only gitコマンドがmacOSのFSEvents file watcherループを誘発する問題を
--no-optional-locksで回避(#25750) /forkがweb search結果のnullエントリでクラッシュする問題を修正(#25811)- 並列ファイル書き込み / 編集で1件のエラーが他を巻き込み中断していた挙動を独立化
- configバックアップファイルを
~/直下から~/.claude/backups/へ移動(#26130) claude doctorがmise / asdf管理のインストールをnative installと誤判定する問題を修正(#26033)
その他の追加・改善
chat:newlineキーバインドを追加(#26075、複数行入力をキー設定可能に)/resume <session-id>で先頭メッセージが16KB超のセッションが見つからない問題を修正(#25920)- 並列エージェント中のAPI 400(
thinking blocks cannot be modified)を修正 - 背景エージェント結果が生transcriptを返す問題を修正(#26012)
- Warp端末がShift+Enterのセットアップを誤って要求していた問題を修正(#25957)
alwaysThinkingEnabled: trueがBedrock / Vertexで効かない問題を修正(#26074)
68項目のメンテナンスが示すツールの成熟プロセス
派手な新機能が無いリリースほど、ツールの成熟段階を測りやすい指標になります。本版で読み取れる方向性は3つあります。
1. 長時間セッションを「正規の使い方」として引き受けた: メモリ効率の修正が3経路(ストリームバッファ、O(n²)、タスク履歴)で同時に入り、コンテキスト圧縮後のplan mode / session name保持まで面倒を見ています。短いやり取りではなく数時間にわたる計画駆動セッションをデフォルトの前提として扱う方向です。
2. Windowsを「一級市民」に格上げする方向: \r\n起因の描画崩れ、hooks実行経路のGit Bash切り替え、CWD tempファイル掃除、ドライブ文字casingまで、Windows固有バグが束で片付いています。Windowsバグ1〜2件のマイナー版とは明らかに様相が違います。
3. 拡張機構(hooks / skills / agent teams)の未成熟コーナーを潰す: hookへのlast_assistant_message公開、plugin skillのロード、YAMLエッジケース、worktree配下の発見漏れまで、拡張を書く側が踏みやすい地雷が多く片付いています。拡張エコシステムを外部開発者に開く準備とも読めます。
直前のv2.1.46がclaude.ai connector共有という単一の重みのある変更だったのに対し、本版は広く面で安定性を上げる回です。直後のv2.1.49ではMCP OAuthのstep-up認証とworktree隔離が入る流れで、本版が「v2.1系後半の新機能を載せる土台」を整えた版と位置付けられます。
まとめ
- Windowsチームは即更新推奨: 表示崩れ・hooks不発・bash出力消失など複数の積年バグが束で解消
- 長時間セッション運用は即更新推奨: メモリ効率改善が複数経路で同時に効く
- 拡張機構の開発者は推奨:
last_assistant_message公開とコーナーケース修正で詰まりが減る - 大型版のため、チーム配布は数日の動作確認を挟むと安全
派手な機能追加はないものの、本版以降を取り込んでおくと続くv2.1.49以降の機能変更を安定して受け取りやすくなります。更新はclaude update、または利用中のパッケージマネージャ経由で取得できます。
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