Claude Code v2.1.69 — メモリ・起動・セキュリティの103項目の総合整備版
Claude Code v2.1.69は103項目の総合メンテナンス。/claude-apiスキル追加、音声STT 10言語拡張、長時間セッションのメモリリーク6系統の一掃、セキュリティ修正を含む大型版です。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.69は、新機能 / 修正 / 性能改善のどれもが単独で1本の解説に値する規模で同時着地した103項目の総合メンテナンスです。
- Skills / Pluginsをプラットフォームとして強化(
/claude-apiスキル、${CLAUDE_SKILL_DIR}変数、/reload-plugins、InstructionsLoadedhook、git-subdirプラグインソース等) - 長時間セッションのメモリリーク6系統を一掃(SDK / CCR会話メッセージ保持、React Compiler
memoCache、REPLレンダリング、インプロセスTeammate、hookイベント、/clear未掃除パス)+ ベースラインメモリ約16MB削減 - セキュリティ修正の集中投入(
node_modules配下スキル読み込み禁止、symlink脱出の封じ込め、サンドボックス未許可ドメインの自動ブロック、MCP信頼ダイアログの黙殺修正) - 音声STTが10言語追加で20言語対応(ロシア語 / ポーランド語 / トルコ語 / オランダ語 / ウクライナ語 / ギリシャ語 / チェコ語 / デンマーク語 / スウェーデン語 / ノルウェー語)
直前のv2.1.68が3項目の小粒だったのと対照的に、本版は機能・基盤・品質をまとめて押し上げる「蓄積放出型」の回です。
あなたの開発フローはどう変わるか
Skill / Plugin作者の開発体験
スキル開発で詰まりやすかった部分が一気に整いました。${CLAUDE_SKILL_DIR}変数でSKILL.md内から自身のディレクトリを絶対パスで参照でき、相対パスの取り扱いから解放されます。/reload-pluginsコマンドでプラグイン変更が再起動なしで反映され、開発の往復が短くなります。InstructionsLoadedフックイベントがCLAUDE.md / .claude/rules/*.mdの読み込み時に発火するため、ルール注入の監査・拡張を仕込む起点ができます。プラグインソースのgit-subdirでモノレポ運用と相性が良くなり、pathPattern(strictKnownMarketplaces)でファイル / ディレクトリ型マーケットプレイスを正規表現で許可リスト化できます。
/claude-apiスキルが公式に追加され、Claude APIとAnthropic SDKを使うアプリ構築のスキャフォールドが配布物として用意されました。プロンプトキャッシュを含む構成が想定されています。
Claude Codeを長時間常駐させる運用
長時間セッションのメモリリークが6系統まとめて潰されました。内訳は以下です。
- 会話メッセージの保持リーク(SDK / CCRの長期セッション)
- React Compiler
memoCacheに古いメッセージ配列バージョンが蓄積 - REPLレンダリングスコープの蓄積(1000ターン約35MB)
- インプロセスTeammateが親の会話履歴を固定保持し
/clearや自動圧縮後もGCできない問題 - インタラクティブモードでhookイベントが無制限蓄積
/clearがすべてのセッションキャッシュを掃除できていなかった点
ベースラインで約16MB削減(Yoga WASMの遅延読み込み)、大規模セッション再開時のメモリ使用量も削減されています。大きなuntrackedバイナリが作業ツリーにある状態でのコミット時に発生していた数GBのメモリスパイクも塞がれました。
macOS / Enterprise / Team利用
macOS起動時のmanaged settings再読み込みが削減され、Claude.ai enterprise / teamユーザー向けの不要keychain lookupが省略されます。複数OAuth MCPサーバを使う際にmacOSキーチェーンが破損する問題(security -iのstdinバッファ溢れで古い認証情報が静かに残り/loginが繰り返されるバグ)も修正されています。sandbox.enableWeakerNetworkIsolation(macOS only)が追加され、gh / gcloud / terraformなどのGoプログラムがhttpProxyPort経由のカスタムMITMプロキシでTLS証明書を検証できる選択肢が出ました。企業ネットの挟まれ方と噛み合う変更です。
managed settings運用の組織
セキュリティ系修正が一括で入りました。node_modules等のgitignore配下からスキルがロードされる問題、初回起動の.mcp.jsonサーバを黙って全許可していた問題、acceptEditsモードでsymlink親ディレクトリ経由の脱出書き込みが可能だった問題、allowManagedDomainsOnly有効時の未許可ドメインバイパス、スキルのallowed-tools列挙でインタラクティブツールが承認スキップで空回答実行される問題などが修正されています。「黙って権限を拡大してしまうパス」を潰す方向の集中投入です。
音声入力を使うケース
10言語追加され合計20言語対応(ロシア語 / ポーランド語 / トルコ語 / オランダ語 / ウクライナ語 / ギリシャ語 / チェコ語 / デンマーク語 / スウェーデン語 / ノルウェー語)。スペースバー固着・warmup表示の修正も合わせて入っています。
--worktreeを日常的に使うケース
worktreeファイルコピーがWindowsで動かなかった問題、グローバル.claudeフォルダ検出がWindowsで動かない問題が修正されました。worktreeから起動した時にプロジェクト直下とworktree配下のCLAUDE.md / コマンド / agent / ruleが二重ロードされていた問題も解消され、--worktree起動の不要なgitサブプロセスを削除して起動が軽くなります。フックイベントにはagent_id / agent_typeが、ステータスラインhookにはworktreeフィールド(名前 / パス / ブランチ / 元リポジトリ)が乗るようになりました。
MCPでバイナリを返すツールを使うケース
PDF / Officeドキュメント / 音声を返すMCPツールが、base64生文字列を会話コンテキストに流し込む代わりに、デコード済みバイトを正しい拡張子でディスク保存するようになりました。WebFetchもバイナリ応答をサマリと並べて保存します。会話コンテキストの汚染が止まり、長時間セッションのトークン消費が改善します。
モデル指定でハードコードしているスクリプト
--model claude-opus-4-0 / --model claude-opus-4-1が非推奨のOpusバージョンに解決されていた問題が修正され、現行版を指すようになりました。Sonnet 4.5のPro / Max / Team Premiumユーザーは自動的にSonnet 4.6へ移行します。
主な変更点
Skills / Plugins拡張(新機能)
/claude-apiスキル: Claude API / Anthropic SDKを使うアプリ構築向け公式スキル${CLAUDE_SKILL_DIR}変数: SKILL.md本文内で自身のスキルディレクトリを絶対パス参照/reload-pluginsコマンド: 再起動なしでプラグイン変更を反映InstructionsLoadedフック:CLAUDE.md/.claude/rules/*.mdがコンテキストに読み込まれた瞬間に発火- プラグインソース型
git-subdir: gitリポジトリ内サブディレクトリをプラグインソースに pathPattern(strictKnownMarketplaces): ファイル / ディレクトリ型マーケットプレイスを正規表現許可リスト化pluginTrustMessage(managed settings): 組織固有の注意文をtrust警告に追加oauth.authServerMetadataUrl(MCP): 標準OAuthメタデータディスカバリ失敗時の明示URL指定
フック・ステータスライン
- フックイベントに
agent_id/agent_type(サブエージェント識別 / 種別) - ステータスラインhookに
worktreeフィールド(名前 / パス / ブランチ / 元リポジトリ)
リモート制御・チーム運用
/remote-controlに--name引数(セッションのカスタムタイトルをclaude.ai/code側で表示)- Teamプラン向けポリシー制限取得(EnterpriseだけでなくTeamにも適用)
claude --agent時のターミナルタイトルにエージェント名表示
サンドボックス・設定
sandbox.enableWeakerNetworkIsolation(macOS only): GoツールがhttpProxyPort経由のカスタムMITMプロキシでTLS検証可能にincludeGitInstructions/CLAUDE_CODE_DISABLE_GIT_INSTRUCTIONS: コミット / PRワークフローの組み込み指示をシステムプロンプトから外せる
UX
- 音声STT 10言語追加(合計20言語対応)
- 数字テンキー対応(面接式質問の選択入力)
- 空bashプロンプト(
!)でCtrl+U(bashモードを抜ける選択肢追加) - Effortレベル表示をロゴ・スピナーに(
with low effort等で現在値表示) - macOS / WindowsでClaude Code Desktopの起動時提案(最大3回、ディスミス可能)
セキュリティ修正
node_modules等のgitignore配下からスキルがロードされる問題を修正- 初回起動の信頼ダイアログが
.mcp.jsonサーバを黙って全許可していた問題を修正(サーバごとの承認に戻す) acceptEditsモードでsymlink親ディレクトリ経由の作業ディレクトリ脱出書き込みを禁止allowManagedDomainsOnly有効時の未許可ドメインを承認ダイアログなしで自動ブロック- スキルの
allowed-toolsに列挙されたインタラクティブツール(AskUserQuestion等)の承認スキップ問題を修正 - TeammateがAgentツールの
name引数経由でネストTeammateを生成する挙動を修正
メモリリーク・性能
- 会話メッセージ保持リーク(SDK / CCR長期セッション)を修正
- React Compiler
memoCacheに古いメッセージ配列バージョンが蓄積する問題を修正 - REPLレンダリングスコープの蓄積(1000ターン約35MB)を修正
- インプロセスTeammateが親の会話履歴を固定保持する問題を修正
- インタラクティブモードでhookイベントが無制限蓄積する問題を修正
/clearがすべてのセッションキャッシュを掃除する動きに修正- ベースラインメモリ約16MB削減(Yoga WASM遅延読み込み)
- 大規模セッション再開時 / 圧縮履歴含むメモリ使用量を削減
- 大きなuntrackedバイナリ含むコミット時の数GBメモリスパイクを解消
- ネイティブバイナリでのUIレンダリング性能向上(React Compiler)
- スピナーの50msアニメーションループをシェルから分離(描画 / CPUオーバーヘッド削減)
--worktree起動で不要なgitサブプロセスを削除- macOS起動でmanaged settings再読み込みを削減
- macOS起動でClaude.ai enterprise / teamの不要keychain lookupを省略
MCP -p起動でclaude.ai設定取得とローカル接続を並列化- LSPツール描画とメモリコンテキスト構築でファイル全体読み込みを廃止
- マルチエージェントタスクのサブエージェント最終レポートを簡潔化(トークン削減)
MCPバイナリ応答
- PDF / Officeドキュメント / 音声を返すMCPツールが、base64生文字列を会話コンテキストに流す代わりに、デコード済みバイトを正しい拡張子でディスク保存
WebFetchもバイナリ応答をサマリと並べて保存
認証・モデル指定
- 複数OAuth MCPサーバ使用時のmacOSキーチェーン破損(stdinバッファ溢れ)を修正
--model claude-opus-4-0/--model claude-opus-4-1が非推奨版に解決されていた問題を修正.credentials.jsonのsubscriptionTypeが一時API失敗で失われる問題を修正Sonnet 4.5のPro / Max / Team PremiumユーザーをSonnet 4.6に自動移行
Windows / クロスプラットフォーム
- worktreeファイルコピーがWindowsで動かない問題を修正
- グローバル
.claudeフォルダ検出がWindowsで動かない問題を修正 - Git Bashでモデルが
2>nulを使うとリテラルnulファイルが生成される問題を修正
入力・表示の修正
- Ghostty over SSHで
Shift+Enterが改行ではなく[27;2;13~を表示する問題を修正 - Claude動作中にメッセージ送信するとstash(
Ctrl+S)が消える問題を修正 - 長時間 / 多数ファイル編集セッションで
Ctrl+O(transcript切り替え)が数秒フリーズする問題を修正 - Planモードのフィードバック入力が複数行未対応だった問題を修正
- 入力欄の先頭空行にカーソルが下りない問題を修正
- ストリーミング中エラー直後の短時間ハング(transcriptをin-placeに変更)を修正
/statsがtranscript内の不正タイムスタンプでクラッシュする問題を修正
/claude-apiスキル追加が示すプラットフォーム化の方向性
103項目を並べて見えてくるのは、Skills / Pluginsをプラットフォームとして鍛え直す姿勢です。今回の変更は3つの階層に分解できます。
- 作者の足場(スキル / プラグインAPI):
${CLAUDE_SKILL_DIR}//reload-plugins/InstructionsLoaded/git-subdir/pathPattern - 作者の配布(信頼とガバナンス):
pluginTrustMessage/strictKnownMarketplaces拡張 / trust dialog修正 / スキルロードのセキュリティ - 利用者の体験(音声 / TUI / 起動時間): STT 10言語追加 / 数字テンキー / effort表示 / 起動・スピナー最適化
/claude-apiスキル自体が象徴的で、「Claudeを使うアプリを作る」という営みに公式スキルを当てに行くことは、スキルが単なるプロンプトテンプレートではなく配布可能なSDK的な足場に近づいていると読めます。フック / プラグイン系の修正が「silently dropped」「silently auto-allowed」系に集中していることも、振る舞いの予測可能性をプラットフォームの品質として扱い始めたサインと見てよさそうです。
直前のv2.1.68でモデル運用の既定値を整え、本版でプラットフォーム機能を厚くした流れは、続くv2.1.70以降で個別機能の安定化につながります。
まとめ
- Skill / Plugin開発では本版で開発体験が改善しdescription欠落 / コロン混入バグも解消します
- 長時間常駐運用ではメモリリーク6系統が解消し、ベースライン16MB削減も入ります
- managed settings運用組織ではセキュリティ系修正が一括で入ります
- macOS Enterprise / Teamでは起動短縮とkeychain破損修正が反映されます
- 3点が揃ったプラットフォーム化の節目: スキル足場 / 長時間運用 / セキュリティが同時に底上げ
機能・修正・性能改善のどれも単独で1本の解説に値する規模が同時着地した特異な版です。スキル / プラグインを書く人、長時間セッションを回す人、managed settings運用の組織のいずれかに当てはまるなら、本版はいったん上げて土台を更新しておく価値がある版と言えます。更新はclaude updateで取得できます。
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