Claude Code v1.0後半(v1.0.70 〜 v1.0.126)総まとめ — v2.0移行前夜の地ならしを読む
Claude Code v1.0.70 〜 v1.0.126の30版を1本に圧縮。Ctrl-b背景実行、/statusline、output styles、/contextなどv2.0に引き継がれた基盤機能の出所を時系列で辿ります。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v1.0.70〜v1.0.126の30版は、2025年夏から秋にかけてのv1.0系後半シリーズです。本まとめを読むことで、次の3つが見えてきます。
- v2.0で当たり前になった機能群の原型がこの期間にほぼ出揃った経緯が分かる:
Ctrl-b(v1.0.71)、/statusline(v1.0.71)、output styles(v1.0.81)、/context(v1.0.86)、SlashCommandツール(v1.0.123)はすべてv1.0後半が出所 - permission強化の継続が、v2.0のサンドボックス導入の布石だったと読める: v1.0.72の
/permissions導入から、v1.0.97 / v1.0.120 / v1.0.123 / v1.0.124まで延々と修正が続き、v1.0.120とv1.0.124は明示的に「セキュリティ脆弱性修正」とラベル付け - 「ユーザ拡張をClaudeが自発的に呼び出す」設計方針の固定化が見える: output styles(v1.0.81)→
SlashCommandツール(v1.0.123)で、Claudeのツールボックスにユーザ宣言が組み込まれる路線が固まった
あなたの開発フローはどう変わるか
v2系で当たり前に使う機能の出所が分かる
Ctrl-bで開発サーバを背景に投げてログをtailしながらコード生成を続ける働き方の起点はv1.0.71、output stylesでClaudeの出力性格を切り替える発想はv1.0.81、/contextでコンテキスト消費を可視化する仕組みはv1.0.86 —— これらの「最初からあったように感じる機能」の多くは、実際にはこの期間に順次入れられたものです。
permission設計の進化が読める
v1.0.72の/permissions導入から、v1.0.97 / v1.0.120 / v1.0.123 / v1.0.124とpermission周りの変更が延々と続くのが後半の特徴です。v1.0.120とv1.0.124では明示的に「セキュリティ脆弱性修正」と書かれており、ツール実行の境界を精緻化する作業が優先度高く走っていたことが読み取れます。v2.0のサンドボックス導入は、この期間にpermission checkを十分鍛えたからこそ踏み切れた、と見られそうです。
Bedrock / Vertex対応の継続性が見える
v1.0.88のBedrock用Sonnet 4昇格、v1.0.94のVertexグローバルエンドポイント、v1.0.124のenv評価修正、v1.0.126の/context開放まで、企業プロバイダ対応が毎月のように入っていた期間です。v2.0のFoundry対応やエンタープライズ機能拡充に繋がる流れがここで途切れずに進んでいたことが分かります。
v1.0後半の位置付け
v1.0.70からv1.0.126までの30版は、v1.0系として最後に積み上げられたブロックです。v1.0前半(〜v1.0.69)が「Claude CodeをCLIとして使えるものにする」フェーズだったのに対し、後半は「毎日使えるツールに磨く」フェーズと言えそうです。前半で試行錯誤していたpermissions、hooks、sub-agents、MCPといった基盤が、/permissions /statusline /context /todosのような明示的なスラッシュコマンドに収斂しました。v2.0で表層UIが刷新された際にも、内部で動く概念の多くはこの後半で固まったものが転用されています。
v1.0前半の流れはClaude Code v1.0前半の総まとめ、v2.0の出発点はClaude Code v2.0前半の総まとめに整理しています。
主な変更点(テーマ別)
30版を個別に追うより、6テーマで束ねると全体像が見えます。
対話UI・ターミナル体験の成熟
- v1.0.71:
Ctrl-b背景コマンド実行、/statusline - v1.0.83: スペースを含むパスの@-mention対応
- v1.0.85 / v1.0.88: ステータスラインにコスト・
exceeds_200k_tokens - v1.0.115: thinking mode視覚強化、
/tで一時無効化 - v1.0.117:
Ctrl-Rによるbash/zsh風履歴検索
/statusline(v1.0.71)は特に大きく、ターミナルのPS1にClaude Codeのセッション情報を混ぜる発想を標準化しました。以降、コスト・トークン・モデル名とステータスラインは拡張を重ねています。
SDKの継続的な整備
- v1.0.77: session support
- v1.0.82: request cancellation、
additionalDirectories - v1.0.86: メッセージUUID、
--replay-user-messages - v1.0.94: custom tools as callbacks
- v1.0.109:
--include-partial-messages部分ストリーミング
custom tools as callbacks(v1.0.94)は、v2.0でAgent SDKが分離される際の伏線として重要です。
Permissionsと安全性の強化
- v1.0.72:
/permissionsで特定ツールを常に確認必須に - v1.0.82:
settings.jsonのフィールド検証 - v1.0.97:
/doctorがpermission rule構文を検証 - v1.0.120 / v1.0.124: Bash permission checkのセキュリティ脆弱性修正
- v1.0.123: Bash rulesが出力リダイレクトにマッチ
v2.0のサンドボックス導入への布石と読めます。v1.0.120とv1.0.124は明示的に「セキュリティ脆弱性修正」で、permission checkのロジックが執拗に磨かれていました。
Output StylesとSlash Commandの拡張
- v1.0.81: output stylesリリース(
ExplanatoryLearning同梱) - v1.0.84:
~/.claude/*の@-mention補完 - v1.0.123:
SlashCommandツール追加、Claude自身がスラッシュコマンドを呼べる - v1.0.119: slash commandsがallowed toolsを置換ではなく更新する挙動に
output styles(v1.0.81)とSlashCommand(v1.0.123)はユーザ拡張の設計思想を象徴する2つの節目です。Claude Codeを薄いシェルとして扱い、中身をユーザが組む路線がここで固まりました。
Hooksと観測性
- v1.0.85:
SessionEndフック導入 - v1.0.112:
SessionEndにsystemMessageサポート - v1.0.115: post-toolフック出力の圧縮表示
- v1.0.123:
--debugログをファイルに移行 - v1.0.126: OpenTelemetry exporterのmTLSサポート
v1.0.126のOTel mTLSは企業の観測基盤連携を見据えた変更で、v2.0以降のエンタープライズ機能の先取りと読めます。
プラットフォーム対応の地ならし
- v1.0.70: Windowsネイティブ検索・ripgrep・subagent修正
- v1.0.73: Alpine / musl系Linuxサポート
- v1.0.88 / v1.0.94: Bedrock Sonnet 4更新、Vertexグローバルエンドポイント
- v1.0.106 / v1.0.117: Windowsのパス権限POSIX化、PATH case-insensitive化
- v1.0.126: Bedrock / Vertexで
/context有効化
Windowsと企業プロバイダ(Bedrock/Vertex)の両輪でプラットフォーム間の挙動差を潰しにいった期間でした。Alpine/muslサポート(v1.0.73)はDockerベースのCI運用での採用を広げる一手で、この地ならしがv2.0でネイティブバイナリ化に結実したと見ることもできます。
特筆すべき版ピックアップ
後に効いてくる変更を含む5版を選びます。
- v1.0.71 — 背景実行と
/statuslineの誕生: 開発サーバをCtrl-bで投げてログをtailしながらコード生成を続ける働き方の起点 - v1.0.81 — output stylesの公開: 出力の性格を切り替える発想が明示的に持ち込まれた瞬間。v2.0のカスタムスタイル拡張の起点
- v1.0.86 —
/contextの初登場: Claude Codeがコンテキスト管理を隠蔽せず、ユーザに可視化する方針が明確化 - v1.0.115 — thinking modeの視覚刷新: 表示強化と
/tでの個別無効化。思考可視化を邪魔にならない程度に見せる調整 - v1.0.123 —
SlashCommandとBashルールの拡張: 開発者体験に効く変更が詰め合わせになった版
全30版の早見表
| バージョン | 主要変更 |
|---|---|
| v1.0.70 | Windows検索・ripgrep・subagent修正 |
| v1.0.71 | 背景コマンド(Ctrl-b)、/statusline |
| v1.0.72 | /permissionsで常時確認 |
| v1.0.73 | MCP複数config、Alpine/musl対応 |
| v1.0.77 | Bash修正、SDK session、Opus Plan Mode |
| v1.0.80 | subagent色コントラスト修正 |
| v1.0.81 | output stylesリリース |
| v1.0.82 | SDK cancellation |
| v1.0.83 | スペース含むパスの@-mention |
| v1.0.84 | ~/.claude/*の@-mention |
| v1.0.85 | ステータスラインにコスト、SessionEnd |
| v1.0.86 | /context初登場、SDK UUID |
| v1.0.88 | モデルエイリアス環境変数追加 |
| v1.0.90 | 設定ファイルの即時反映 |
| v1.0.93 | Windows Alt+V、NO_PROXY |
| v1.0.94 | Vertex global、/memory編集、/todos |
| v1.0.97 | /doctorがpermission構文検証 |
| v1.0.106 | Windows権限マッチのPOSIX統一 |
| v1.0.109 | SDK --include-partial-messages |
| v1.0.110 | WezTerm、MCP OAuth自動リフレッシュ |
| v1.0.111 | /model名前検証 |
| v1.0.112 | Transcriptに生成モデル表示 |
| v1.0.113 | Ctrl+R → Ctrl+O |
| v1.0.115 | thinking視覚強化、/t |
| v1.0.117 | Ctrl-R履歴検索 |
| v1.0.119 | MCP動的ヘッダー |
| v1.0.120 | Bash permissionセキュリティ修正 |
| v1.0.123 | SlashCommandツール、Bashリダイレクト対応 |
| v1.0.124 | CLAUDE_BASH_NO_LOGIN、Bedrock/Vertex修正 |
| v1.0.126 | Bedrock/Vertexで/context、OTel mTLS |
v2.0への進化を予感させた変更
30版を通して見たとき、v2.0の形が透けて見えるポイントは大きく3つあります。
1. 「ユーザ拡張をClaude自身が呼ぶ」への傾斜
output styles(v1.0.81)→ SlashCommandツール(v1.0.123)の流れは、「ユーザが宣言した振る舞いをClaudeが自発的に呼び出す」という設計方針の固定化です。v2.0以降、カスタムコマンド設計が単なるショートカットではなく、Claudeのツールボックスの一部としてAIに見せる使い方にシフトしますが、その芽はこの2つの変更に出ています。
2. Permissionsの執拗な磨き上げ = サンドボックス化の布石
v1.0.72の/permissions導入から、v1.0.97、v1.0.120、v1.0.123、v1.0.124とpermission周りの変更が延々と続くのが後半の特徴です。v1.0.120とv1.0.124では明示的に「セキュリティ脆弱性修正」と書かれており、ツール実行の境界を精緻化する作業が優先度高く走っていたことが読み取れます。v2.0のサンドボックス導入は、この期間にpermission checkを十分鍛えたからこそ踏み切れた、と見られそうです。
3. Bedrock / Vertexの継続対応 = 企業導入の地ならし
v1.0.88のBedrock用Sonnet 4昇格、v1.0.94のVertexグローバルエンドポイント、v1.0.124のenv評価修正、v1.0.126の/context開放まで、企業プロバイダ対応が毎月のように入っていた期間です。v2.0のFoundry対応やエンタープライズ機能拡充に繋がる流れがここで途切れずに進んでいました。
まとめ
Ctrl-b//statusline/ output styles //context/SlashCommandの出所がv1.0後半: 「最初からあった」ように感じるかもしれないが、実際はこの期間で順次入った- permission強化の継続が、v2.0サンドボックス導入の布石: v1.0.72から始まり、v1.0.120 / v1.0.124でセキュリティ脆弱性修正まで磨かれた
- Bedrock / Vertex対応の継続性が、v2.0エンタープライズ機能の前提: 毎月のようにプロバイダ対応が入った
- 対話UI / SDK / permissions / output styles / プラットフォームの5領域でv2.0の前提が組み上がった
v2系のリリースノートを読むときに「これはv1.0のあの版の発展形だな」と辿れると、変更の意味が立体的に見えてきます。
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