Claude Code v2.1.90 — /powerupでインタラクティブに機能を学べる仕組みを追加
Claude Code v2.1.90は新コマンド/powerupによるインタラクティブな機能学習、.huskyの保護ディレクトリ追加、PowerShell権限チェックの堅牢化、SSEとSDKの計算量線形化など、学習導線と運用安全とパフォーマンスを同時に底上げするリリースです。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.90は、機能学習・運用安全・パフォーマンスを同じ版で同時に前進させた中規模リリースです。読者目線で効くのは次の3点です。
- 新コマンド
/powerupでClaude Codeの機能をアニメ付きデモから学べる(端末内でインタラクティブに動かしながら確認できる学習導線) -
.huskyが保護ディレクトリ入りし、acceptEditsモードでGitフックを意図せず書き換えない -
PowerShell権限チェックの抜け穴(末尾
&バックグラウンドジョブ、TOCTOU、パース失敗時のdeny降格など)が4点まとめてふさがれた
加えて、--resumeのプロンプトキャッシュミス回帰(v2.1.69以降)の修正、SSEトランスポート・SDKトランスクリプト書き込みの二乗時間挙動を線形化、/resumeピッカーの整理など、長時間運用と大規模運用で詰まりがちな箇所がまとめて潰されています。
あなたの開発フローはどう変わるか
Claude Codeを最近触り始めた人 / チームの新メンバー
これまで機能を知る手段は公式ドキュメント・/help・実際に叩いて覚えるの三択でしたが、/powerupは端末内のアニメーション付きデモという第4の選択肢を加えます。静止画スクショや文章説明では伝わりにくい「対話の流れ」「パネル遷移」「キー操作タイミング」を画面で動かしながら学べるため、社内オンボーディングや、自分が使っていない機能を一覧で撫でる棚卸しに向きます。
--resumeを日常的に使う開発者
v2.1.69以降の回帰で、deferred tools / MCPサーバー / カスタムエージェントを併用しているケースの--resume初回リクエストでプロンプトキャッシュが全ミスしていました。本版で復活します。v2.1.69からv2.1.90までほぼ3週間ぶんの再開セッションで余分な課金が発生していた可能性のある回帰です。「再開すると重い」と感じていた場合、本版で直ります。
加えて、PostToolUseのフォーマットon-save hookが連続編集の間にファイルを書き換えてFile content has changedで失敗していた問題、PreToolUseフックがJSONをstdoutに吐きexit code 2で終了してもツール呼び出しがブロックされない問題も修正されています。hookで日常運用を組んでいるほど効きが大きい版です。
Windows / PowerShellで運用する開発者
PowerShellツールの権限チェックが4点強化されました。
- 末尾
&によるバックグラウンドジョブを使った権限迂回の封じ -ErrorAction Breakがデバッガを起動してセッションをハングさせる挙動の修正- アーカイブ展開時のTOCTOU(時間差で発生する競合)の修正
- パース失敗時にdenyルールが緩い挙動にフォールバックしていた点の修正
末尾&バイパスとTOCTOUは、公式に「hardened」と明記される権限モデルの穴を塞ぐタイプの修正です。ルール設定で絞り込んでいるつもりが実は抜けていた、という状況を解消します。Get-DnsClientCacheとipconfig /displaydnsもデフォルト許可から外れ、ユーザー訪問ホスト一覧が読み取れるプライバシー懸念に明示承認を要求する形になりました。
SDK / MCPツール多数 / 長尺セッションで回す重運用
性能まわりに線形化3件が入っています。「動く / 動かない」ではなく、特定条件で指数関数的に遅くなる現象を平均以下に均す変更です。
- MCPツールスキーマの
JSON.stringifyをターン毎に走らせない(キャッシュキー参照のたび全直列化していた) - SSEトランスポートが大きなストリームフレームを線形時間で処理(従来は二乗時間)
- SDKセッションの長時間会話でトランスクリプト書き込みが二乗的に遅くなる問題を解消
8時間超のペアコーディング・巨大なツールセット・大規模ダイアログで差が出ます。
主な変更点
/powerup — 動くデモで機能を学ぶインタラクティブレッスン
アニメーション付きデモで機能を学べる新コマンドです。社内オンボーディング、チーム新メンバー向け導線、自分が使っていない機能の棚卸しに向きます。
.huskyが保護ディレクトリに追加
acceptEditsモード(編集を自動承認するモード)では、プロジェクトに対して致命傷になりやすいパスは既定で保護されています。本版でこの保護リストに.huskyが加わりました。Gitフック(commit-msg / pre-commit / pre-pushなど)を管理するディレクトリを不用意に書き換えられると以後のコミット挙動が全て変わるため、acceptEditsで回すセッションがhusky install由来のフックを勝手に書き換える事故を未然に抑える狙いです。
オフライン環境向け: CLAUDE_CODE_PLUGIN_KEEP_MARKETPLACE_ON_FAILURE
git pullに失敗したとき、既存のプラグインマーケットプレイスキャッシュを破棄せず維持するための環境変数が追加されました。エアギャップ環境・一時的にネットワーク断する端末でマーケットプレイスが使えない状態に落ちないためのフェイルセーフです。
PowerShell権限チェックを4点堅牢化
末尾&によるバックグラウンドジョブの迂回、-ErrorAction Breakによるデバッガ起動ハング、アーカイブ展開時のTOCTOU、パース失敗時のdenyルール降格をまとめて修正しています。「hardened」明記の権限モデル修正です。
パフォーマンスの線形化3件
MCPツールスキーマのJSON.stringify、SSE大フレーム処理、SDKセッションのトランスクリプト書き込みの二乗時間挙動が線形に落ちました。長尺・大規模運用でしか体感しないものの、効くときは大きく効きます。
/resumeの並列ロード & ピッカー整理
/resumeの全プロジェクトビューがプロジェクトセッションを並列ロードするように--resumeピッカーはclaude -p(非対話実行)やSDK呼び出しで作られたセッションを表示しないよう変更
CIやバッチで増えがちなSDK由来セッションが、/resumeのリストを汚さなくなります。
PowerShellの自動許可から除外
Get-DnsClientCacheipconfig /displaydns
DNSキャッシュはユーザーが訪問したホスト一覧が読み取れるため、プライバシー配慮として明示的な許可を要求する形へ。
修正ハイライト
特に毎日使うフローに刺さる修正を表で並べます。
| 修正箇所 | 症状 | 直ったこと |
|---|---|---|
| レート制限ダイアログ | 使用上限到達後にダイアログが無限に開き直してセッションごとクラッシュ | 無限ループを遮断 |
--resume | deferred tools / MCPサーバー / カスタムエージェント利用時、初回リクエストでプロンプトキャッシュが全ミス(v2.1.69以降の回帰) | キャッシュ再利用が復活 |
Edit / Write | PostToolUseのフォーマットon-save hookが連続編集の間にファイルを書き換えFile content has changedで失敗 | 連続編集が通るように |
PreToolUse hook | JSONをstdoutに吐きexit code 2で終了してもツール呼び出しがブロックされない | 期待通りブロックするように |
| 検索/読み取り折りたたみバッジ | ツール呼び出し中にCLAUDE.mdが自動ロードされるとフルスクリーンスクロールバックで重複描画 | 重複を解消 |
| auto mode | 「pushしないで」「Xを待ってからY」といったユーザーの明示的境界を、許可範囲内なら無視して実行 | 境界を尊重 |
| ホバーテキスト | ライトテーマのターミナルでクリック展開ヒントが見えない | コントラストを調整 |
| 権限ダイアログ | 不正なツール入力が渡るとUIがクラッシュ | クラッシュを抑止 |
/model /config | 選択画面をスクロールするとヘッダーが消える | ヘッダーを固定表示 |
3層リリースとしてどう読み解くか
本版の項目は対象読者が明確に3層に分かれているのが面白いところです。
- 初学者層:
/powerupで「そもそも何ができるか」を学ぶ導線 - 中堅層(毎日触っている人):
--resume回帰修正・hook修正・auto modeの境界尊重など、日常運用の摩擦を減らす修正 - 重運用層(SDK・MCP・長尺セッションで回す人): SSE / SDK / MCPの計算量線形化とPowerShell権限強化
同じ版に「入り口を広げる改善」と「長く使っている人の摩擦を取る修正」と「大規模運用の性能線形化」が同居している構成は、ユーザー基盤がフェーズの異なる複数層に広がっていることの反映と読めます。.huskyとDNSキャッシュの扱いはどちらも「既定の緩さを一段締める」方向の調整で、acceptEditsとauto-allowの守備範囲がバージョンを重ねるごとに更新されていく流れの一部です。
まとめ
--resumeを日常使用 + MCP / カスタムエージェント併用は更新の効果が大きい: プロンプトキャッシュ全ミス回帰の修正- hook / Windows / PowerShell運用は推奨: 連続編集の失敗修正と権限モデル4点強化
- SDK / MCP / 長尺セッション運用は推奨: 計算量線形化3件の恩恵
- 新規 / 学習層は任意:
/powerupで機能の棚卸しが楽になる
派手な目玉は/powerup1つですが、中身は日常運用と大規模運用で詰まる箇所を同時に潰す地味に厚いパッチです。MCP / SDK / acceptEditsを併用している環境ほど体感差が出ます。次はv2.1.91でMCPツール結果の500K対応など、設計自由度を広げる変更が続きます。
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