Claude Code v2.1.92 — Bedrock対話セットアップと/costのキャッシュ内訳追加
Claude Code v2.1.92はBedrock向け対話型セットアップウィザード、/costのモデル別・キャッシュヒット内訳、ポリシー設定forceRemoteSettingsRefreshを追加し、/tagと/vimを削除した中規模リリースです。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.92は、企業利用の導線整備とコスト可視性を同時に底上げする中規模リリースです。読者目線では次の3点が直接効きます。
- Bedrock対話セットアップウィザードがログイン画面から起動可能になり、AWS認証・リージョン・資格情報検証・モデル固定までCLI内で完了
/costにモデル別内訳とプロンプトキャッシュのヒット / ミス内訳が追加(サブスクリプション利用者向け)-
ポリシー設定
forceRemoteSettingsRefreshが追加、起動時にリモートmanaged settingsの再取得を強制し、失敗したらfail-closedで起動を止める
加えて/release-notesが対話式バージョンピッカーに刷新され、/tagと/vimは削除されました。Write toolのdiff計算が大規模ファイルで60%高速化、Linux sandboxのapply-seccomp helperがnpm版・ネイティブ版両方に同梱、といった足回りの改善も入っています。
あなたの開発フローはどう変わるか
Bedrock経由でClaude Codeを新規導入するチーム
これまでBedrock利用はAWS_PROFILEやAWS_REGION等の環境変数を手で設定し、CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1を立てて起動し、接続が通らなければログを見る、という半手動の導入でした。本版ではログイン画面で「3rd-party platform」を選ぶと、次の4ステップが対話で進みます。
- AWS認証(プロファイル選択 / SSO / アクセスキー)
- リージョン設定
- 資格情報の疎通検証
- モデルのピン留め(どのBedrock modelIDで呼ぶかの固定)
「初めてBedrockでClaude Codeを動かす人」に対する摩擦が最も大きいフェーズを、CLI内の対話で完結させる方向の改善と読めます。
サブスクリプションでClaude Codeを日常利用する開発者
/costがモデル別の利用量とプロンプトキャッシュのヒット / ミス内訳を出すようになりました。プロンプトキャッシュは同じセッション内の同一プレフィックスを再利用する仕組みで、ヒット率が落ちるとトークン消費が跳ね上がる性質があります。これまでは合算値しか見えず「重いのは体感でわかるが原因が特定できない」状況でしたが、内訳から次のような運用判断が回せます。
- キャッシュミス比率が高い → セッション開始直後に重めの固定プロンプトを一度通してから本題に入る、
/compactで先に圧縮する - 特定modelだけキャッシュ率が悪い →
/modelを跨いだ切替の頻度を下げる、該当modelの専用セッションに切り出す - Pro復帰時のフッターヒント(非キャッシュトークン概算)との合わせ技 → 「いま話しかけるとX万トークン食う」が先に分かる
エンタープライズでmanaged settingsを配布している組織
forceRemoteSettingsRefreshポリシー設定が追加されました。挙動のポイントは2つです。
- 起動時に必ずリモートから最新版を取りに行く(キャッシュを信用しない)
- 取得に失敗したら起動を中断(fail-closed)
「昔のキャッシュで古いポリシーのまま動き続ける」「ネット切断時にも抜け道で走る」というリスクを塞ぐための設定で、規制業界や秘匿度の高い社内環境での利用を意識した追加です。
/tag / /vimに依存していたユーザー
両コマンドは削除されました。Vimモードは/config → Editor modeで切替できますが、/tagは代替がないため、運用フローを見直してから更新するとスムーズです。
主な変更点
Bedrock対話セットアップウィザード
ログイン画面で「3rd-party platform」を選ぶと、AWS認証 → リージョン設定 → 資格情報検証 → モデルピン留めまでをCLI内の対話で完了できます。
/costにモデル別・キャッシュ内訳
サブスクリプション利用者の/costが、モデル別利用量とプロンプトキャッシュのヒット / ミス内訳を出すようになりました。長時間セッションのコスト制御が数字ベースで回せます。
forceRemoteSettingsRefreshポリシー設定
managed settingsを起動時にリモートから強制再取得し、失敗したら起動を中断するfail-closedな仕組みです。エンタープライズ向け。
その他の改善
/release-notesが対話式バージョンピッカーに刷新- Remote Controlセッション名のデフォルトプレフィックスがホスト名(例:
myhost-graceful-unicorn)に変更、--remote-control-session-name-prefixで上書き可 - Proユーザーがセッション復帰時、プロンプトキャッシュが切れていると次のターンで送る非キャッシュトークンの概算をフッターヒントで提示
- Write toolのdiff計算が、tab /
&/$を含む大規模ファイルで60%高速化 - Linux sandboxが
apply-seccomphelperをnpm版・ネイティブ版の両方に同梱、sandboxed commandsのunix-socket遮断を復活
削除されたコマンド
/tag— 代替なし(運用フロー見直し)/vim—/config→ Editor modeで切替
修正ハイライト
| 分野 | 内容 |
|---|---|
| 並行セッション | 長時間セッションでtmux windowをkill / renumberすると、以降subagentが「Could not determine pane count」で永久に失敗する問題を修正 |
| Hooks | prompt型Stop hookが小型高速modelのok:false返却で誤失敗する挙動を修正、非Stop prompt型hookのpreventContinuation:trueセマンティクスを復旧 |
| ストリーミング | array / object fieldsがJSONエンコード文字列として流れてきたときのtool input validation失敗を修正 |
| Extended thinking | 空白のみのtext blockが実コンテンツと同居したときにAPI 400を返すケースを修正 |
| UX | フルスクリーン処理中のテキスト選択時に「esc to interrupt」と「esc to clear」が二重表示される誤解を修正 |
| インストール | Homebrew更新プロンプトがcaskのrelease channel(claude-code → stable、claude-code@latest → latest)を尊重 |
| 入力 | 複数行プロンプトで行末にいる時のctrl+eが次行末に飛んでしまう問題を修正 |
| スクロール | iTerm2 / Ghostty等DEC 2026対応ターミナルで、上方スクロール時に同じメッセージが二箇所に出る問題を修正 |
| コンテキスト表示 | アイドル復帰時の「/clear to save X tokens」が現在の文脈サイズではなく累積セッショントークンを表示していた問題を修正 |
| MCP | 未認証のclaude.ai connectorと重複するプラグインMCPサーバが起動時「connecting」のまま止まる問題を修正 |
| フィードバック送信 | auto-pilotのキー操作や連続プロンプトの数字衝突で意図せずフィードバックサーベイが送信される問題を修正 |
/costのキャッシュ内訳は何を変えるか
本版の目玉を実務視点で見直すと、サブスクリプション制下での「長時間セッションのコスト制御」が新しく回せるようになった、というのが一番の含みです。
プロンプトキャッシュはヒットすれば1/10前後の課金で済みますが、以下のトリガーで簡単に無効化されます。
- 長時間無操作でキャッシュTTLが切れる
/clearで明示的に捨てる- システムプロンプト側のCLAUDE.md / Skills定義が更新される
- modelを切り替える
これまでは「体感で遅くなった・高くなった」段階でしか気づけませんでしたが、モデル別 + キャッシュ内訳の可視化により、数字ベースで運用判断が回せるようになります。エンタープライズ視点では、forceRemoteSettingsRefreshと組み合わせて「ガードレール(設定の鮮度保証)」と「可視性(コスト内訳)」が同時に底上げされたリリース、とも読めます。
直前のv2.1.91でMCPツール結果の500K対応など設計自由度を広げる変更が入った流れの上に、本版は企業利用の現実的な運用面を整える位置付けです。直後のv2.1.94ではBedrock Mantle対応とeffort既定値引き上げが入り、企業導入の整備が続きます。
まとめ
- Bedrock新規導入は更新の効果が大きい: 対話ウィザードで初期構築が大幅に楽になる
- サブスクリプションで日常利用は推奨:
/costのキャッシュ内訳でコスト制御が回せる - エンタープライズ(managed settings配布)は推奨:
forceRemoteSettingsRefreshをポリシー要件に応じて検討 /tag//vim利用者は要注意: 削除されたため運用フロー見直しが必要
派手な目玉はないものの、エンタープライズ導入の実利と日常利用のコスト制御の両輪が静かに強化された版です。/tagと/vimの削除というbreakingを含むため、これらに依存していた運用だけは事前に切り替えてからアップデートするとスムーズです。
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