Claude Code v2.1.108 — Prompt Cacheの1時間TTL対応とRecap機能の追加
Claude Code v2.1.108はPrompt Cacheの1時間TTLを環境変数で全プロバイダにオプトイン可能にし、セッション復帰時のRecap機能を新設。/model乗り換え警告や/resumeの既定挙動改善、長時間セッションに効く修正14件を含みます。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.108は、地味に見えて運用コストに直接効く変更が中心のマイナーリリースです。読者目線で効くのは次の3点です。
- Prompt Cacheの1時間TTLが
ENABLE_PROMPT_CACHING_1Hで全プロバイダ共通にオプトイン可能に(API key / Bedrock / Vertex / Foundryで使える、Bedrock専用だった従来変数は非推奨) - セッションに戻ったときに直前の作業を要約するRecap機能が新設(
/configで有効化、/recapで手動呼び出し) -
/modelでモデルを切り替える際にキャッシュ失効の警告が出るようになり、/resumeはカレントディレクトリのセッションを既定表示に
加えて、モデルが組み込みスラッシュコマンド(/init / /review / /security-review)をSkill tool経由で呼べる、エラーメッセージの大幅な刷新、--resume周辺の14件の修正など、長時間 / 多セッション運用での摩擦を丁寧に潰す改修が並びます。
あなたの開発フローはどう変わるか
API key / Bedrock / Vertex / Foundryで長時間セッションを回す開発者
Prompt Cachingの1時間TTLはこれまでBedrock専用のENABLE_PROMPT_CACHING_1H_BEDROCKだけで切り替えられていましたが、本版で次のように整理されました。
ENABLE_PROMPT_CACHING_1H— API key / Bedrock / Vertex / Foundryすべてで1時間TTLをオプトインENABLE_PROMPT_CACHING_1H_BEDROCK— 非推奨だが引き続き有効(後方互換)FORCE_PROMPT_CACHING_5M— 明示的に5分TTLを強制
# API key 経由でも 1 時間 TTL を使う
export ENABLE_PROMPT_CACHING_1H=1
# 逆に、特定の検証セッションだけ5分に固定したい
export FORCE_PROMPT_CACHING_5M=1長時間セッションで同じ前置きを繰り返しヒットさせたいケース(長いリファクタの伴走、調査系のワークフローなど)では、1時間TTLを選べることでキャッシュ再構築の頻度が下がり、レスポンス速度と料金の両面で効きます。
合わせて、DISABLE_TELEMETRYを設定した契約者が意図せず1時間TTLから5分TTLに落ちていた問題も修正されています。気づかないうちに5分TTLに落ちていたキャッシュが戻る意味でも、該当する設定をしているチームには更新の即時性があります。
複数プロジェクトを行き来する開発者
/resumeピッカーの既定がカレントディレクトリのセッションのみを表示する形に変わりました。Ctrl+Aで全プロジェクトのセッションを表示できます。複数プロジェクトを並行で触る運用で/resumeが重くなっていた人には直接効く改善です。
加えてRecap機能で「戻ってきたときに何してたか」を要約してもらえます。/configで有効化、/recapで手動呼び出しもでき、テレメトリを無効化しているユーザーはCLAUDE_CODE_ENABLE_AWAY_SUMMARYで強制的に有効化できます。長時間セッションで「昼休み前に何を触っていたか忘れた」状況や、複数セッションを行き来する運用で/compactに頼らず文脈を思い出せるのが利点です。
モデルを切り替える運用
会話途中でモデルを切り替えると次のレスポンスが履歴全体をキャッシュ無しで再読込するため、レスポンス時間も料金もはねます。本版では/modelでの切替前に事前警告が出るようになりました。意識せずに/modelで往復してしまう運用でコストの振れを抑える効果があります。直前のv2.1.105でPreCompactフックでcompactionをblockできる機構が入った流れと合わせて、「文脈の保ち方」を運用側で握る材料が増えています。
Skill / Sub-agent / Hooksでワークフローを組んでいるチーム
/init / /review / /security-reviewなどの組み込みスラッシュコマンドが、モデル側からもSkill tool経由で発見・実行できるようになりました。ユーザーが手で/security-reviewを打たなくても、会話の流れでモデル自身が必要と判断したら呼ぶ動きが可能になります。Sub-agentやHooksと合わせて、「ユーザーが明示操作しなくても安全側・品質側の処理が自然に走る」運用が組みやすくなります。
ログ / エラー表示を改善したいチーム
「無音で失敗していたものを可視化する」系の修正が並んでいます。
--teleport/--resume <id>の前提条件エラーが無音で終了していた問題を修正(汚れたgitツリー、セッション未検出など)- トランスクリプト書き込み失敗(ディスク満杯など)が無音で捨てられていた問題を修正
- サーバ側のレートリミットとプラン側のusageリミットを別メッセージに分離
- 5xx / 529エラーは
status.claude.comへのリンクを表示 - 未知のスラッシュコマンドはもっとも近い候補をサジェスト
主な変更点
Prompt Cacheの1時間TTLを全プロバイダで選べる
ENABLE_PROMPT_CACHING_1H(API key / Bedrock / Vertex / Foundry共通)がオプトインで使えるようになりました。ENABLE_PROMPT_CACHING_1H_BEDROCKは非推奨ですが後方互換あり。FORCE_PROMPT_CACHING_5Mで明示的に5分に固定できます。
Recap機能
セッションから一度離れて戻ってきたときに、直前の作業を要約して提示する仕組み。/configで有効 / 無効を切り替え、/recapで手動呼び出し可能です。テレメトリ無効化ユーザーはCLAUDE_CODE_ENABLE_AWAY_SUMMARYで強制有効化できます。
モデルが組み込みスラッシュコマンドをSkill tool経由で呼べる
/init / /review / /security-reviewなどをモデル側から発見・実行できるようになりました。
/model切り替え時のキャッシュ失効警告
会話途中での/model切替前に事前警告が出るようになりました。
/resumeのデフォルト挙動とエラーメッセージ改善
/resumeピッカーはカレントディレクトリのセッションのみを既定表示に、Ctrl+Aで全プロジェクトのセッション/undoが/rewindのエイリアスに- エラーメッセージ系の刷新:
- サーバ側のレートリミットとプラン側のusageリミットを別メッセージに分離
- 5xx / 529エラーは
status.claude.comへのリンクを表示 - 未知のスラッシュコマンドはもっとも近い候補をサジェスト
メモリ最適化と細かいUI改善
- 言語文法をオンデマンドロードに切り替え、ファイル読み込み・編集・シンタックスハイライトのメモリ使用量を削減
Ctrl+Oの詳細トランスクリプト表示時に「verbose」インジケータを追加- Prompt Cachingが
DISABLE_PROMPT_CACHING*で無効化されているときは起動時に警告
修正ハイライト(14件)
「無音で失敗していたものを可視化する」系の修正が多いのが特徴です。
/loginコードプロンプトでペーストが効かない問題を修正(v2.1.105のリグレッション)DISABLE_TELEMETRYを設定した契約者が、意図せず1時間TTLから5分TTLに落ちていた問題を修正- Agent toolがauto modeでも権限プロンプトを出していた問題(Safety classifierのトランスクリプトがコンテキスト超過した場合)を修正
CLAUDE_ENV_FILE(例:~/.zprofile)が#コメント行で終わるときにBashツールの出力が空になる問題を修正claude --resume <session-id>で/renameのカスタム名・色設定が失われる問題を修正- 最初のメッセージが短い挨拶のときにセッションタイトルがプレースホルダの例文になる問題を修正
--teleport後のプロンプト入力にエスケープコードがゴミ表示される問題を修正/feedback再送時のEnter再送信が本文編集なしでは通らない問題を修正--teleport/--resume <id>の前提条件エラーが無音で終了していた問題を修正(汚れたgitツリー、セッション未検出など)- Remote ControlのWeb UIで付けたセッションタイトルが3メッセージ後に自動生成で上書きされる問題を修正
--resumeが自己参照メッセージを含むセッションを途切れさせる問題を修正- トランスクリプト書き込み失敗(ディスク満杯など)が無音で捨てられていた問題を修正
language設定時に応答からダイアクリティカルマーク(アクセント・ウムラウト・セディーユ)が欠落する問題を修正- policy-managed pluginが、初回インストール時と別プロジェクトから起動すると自動更新されない問題を修正
Prompt CacheとRecap、二つの変更が向いている方向
本版の主役はPrompt CacheとRecapの2本柱ですが、読み解くと同じ方向を向いています。
長時間・多セッション運用を前提に、「戻ってきたとき」のコストを下げる方向です。
- 1時間TTLの明示オプトインは、同じ前置きを長い作業で使い回す運用を想定した変更
- Recapは、戻ってきたユーザーが文脈再構築にかかる時間を短縮する変更
/model切り替え警告と/resumeの既定カレントディレクトリ化も、セッションを跨ぐときのコスト / 摩擦の見える化
直前のv2.1.105でPreCompactHookのblock対応・Plugin monitorsが入った流れ、その前のv2.1.101で/team-onboarding・OS CAストア信頼が入った流れと組み合わせると、Claude Codeが「長時間 / 多人数 / 常駐エージェントを前提とした開発ホスト」へ重心を移している様子が立体的に見えます。本版はその流れの「コスト面」を整えるピースです。
まとめ
- API key / Bedrock / Vertex / Foundryで長時間セッションを回すチーム:
ENABLE_PROMPT_CACHING_1Hの統一とTTL退行修正で、キャッシュ再構築のコスト面が整います - 複数プロジェクトを行き来する開発者は推奨:
/resumeの既定変更、Recap、/model警告で摩擦が減る - Bedrock専用環境変数を使っている運用は推奨: 非推奨化されたため新変数への移行を検討
- Skill / Sub-agent / Hooksでワークフロー設計するチームは推奨: 組み込みスラッシュコマンドがSkill tool経由で呼べるように
派手さよりキャッシュ効率と復帰体験に振ったリリースです。ENABLE_PROMPT_CACHING_1Hの全プロバイダ統一とRecap新設が中心で、残りの改善・修正も「長時間 / 多セッション運用で摩擦になっていた点」を丁寧に潰しにいっています。DISABLE_TELEMETRYを設定していた契約者にとっては、気づかないうちに5分TTLに落ちていたキャッシュが戻るという意味でも更新価値が明確に出る版です。
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