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Claude Code v2.1.86 — APIリクエストヘッダ追加とJujutsu / Sapling対応

Claude Code v2.1.86 — APIリクエストヘッダ追加とJujutsu / Sapling対応

Claude Code v2.1.86は派手な新機能はないものの、--resumeの互換クラッシュ修正、.jj/.slのVCS除外、X-Claude-Code-Session-Idヘッダ追加、Read toolのトークン削減など、日常運用にじわじわ効くパッチリリースです。

読了目安 約7

このリリースで何ができるようになるか

Claude Code v2.1.86は、新機能を派手に積むタイプではなく、直前のv2.1.83 / v2.1.85で生じた副作用と、日常運用で踏みやすかった地雷をまとめて潰すメンテ寄りのリリースです。読者目線では次の3点が直接効きます。

  • v2.1.85以前のセッションが--resumeできなくなっていた互換エラーが解消(tool_use ids were found without tool_result blocksで起動しなかった環境がそのまま戻ります)
  • 企業プロキシがリクエストボディに触らずにセッション単位でログ集計できるHTTPヘッダX-Claude-Code-Session-Idが追加
  • Jujutsu(.jj) / Sapling(.sl)を使うリポジトリでGrepと補完がVCSメタデータに脱線しなくなる

加えて、Read toolのトークン消費削減、/feedbackのメモリ不足クラッシュ、OAuth URLのコピー欠落、マスク済み入力の漏出など、実務で踏むと作業が止まるタイプの不具合が一通り片付いた版です。

あなたの開発フローはどう変わるか

長期セッションを --resume で跨いで使う開発者

v2.1.85でセッション永続化フォーマットの内部変更が入った副作用で、それ以前に作られたセッションは--resume時に互換エラーで起動しなくなるケースがありました。本版は旧フォーマットの後方互換を補修するもので、該当セッションをそのまま再開できます。長期間1セッションを伸ばして開発しているスタイルほど踏みやすかった不具合のため、この層には更新の即時性が高い変更です。

企業プロキシ経由でClaude Codeを運用するチーム

社内ネットワークの監査・コスト配賦・障害切り分けのためにClaude CodeのAPIトラフィックをプロキシで束ねている構成では、従来はリクエストボディのJSONを解析してセッションIDを取り出す必要があり、プロキシ側で余計な負荷が発生していました。本版以降はHTTPヘッダX-Claude-Code-Session-Idがそのまま乗るため、プロキシはボディに触らずに集計できます。ヘッダだけ見るログ転送ルールに切り替える余地が生まれます。

Jujutsu / Saplingリポジトリで作業する開発者

.gitに加えて.jj(Jujutsu)と.sl(Sapling)もVCSディレクトリ除外対象に追加されました。これまでは意図せずVCSメタデータがGrepや@補完に乗り、コンテキストを汚されることがありました。本版以降は自動的に避けられるため、.claudeignoreへの明示記述が要らなくなります。Sapling(Google社内で広く使われる)・Jujutsu(Gitフロントエンドとして注目)を併用しているチームには直接効きます。

Bedrock / Vertex / Foundry経由で利用しているチーム

ツール記述文から動的コンテンツを取り除き、プロンプトキャッシュのヒット率を上げる調整が入っています。@でファイルを言及する際の生文字列がJSONエスケープされなくなる変更と合わせて、入力トークン側のコストが全体的に下がる方向の最適化です。長尺セッション + ツール多用の構成ほど効きが出ます。

主な変更点

--resume互換エラーの修正

v2.1.85以前に作成したセッションを再開しようとすると次のエラーで起動しない問題を修正しました。

tool_use ids were found without tool_result blocks

v2.1.85でセッション永続化フォーマットに変更が入った際、旧形式に対する後方互換処理が抜けていた挙動です。長期実行のセッションを抱える開発者ほど踏みやすい不具合だったため、該当者は本版で正常運用に戻ります。

X-Claude-Code-Session-Idヘッダの追加

APIリクエストにHTTPヘッダX-Claude-Code-Session-Idが付くようになりました。プロキシがボディを解析せずにセッションIDでログを束ねられるため、監査・コスト配賦・障害切り分けの導線が単純化します。社内のClaude Code集約ログを「セッション」単位で見たい運用に効きます。

Jujutsu / SaplingをVCS除外対象に追加

.jj(Jujutsu)と.sl(Sapling)がVCSメタデータとして扱われ、Grepとファイル補完の探索対象から外れます。.claudeignoreでの明示記述が不要になり、これらのVCSを使うリポジトリでコンテキストが汚れにくくなります。

Read toolのトークン削減

Read toolがコンパクトな行番号フォーマットに切り替わり、未変更ファイルの再読み込みは重複排除されるようになりました。同じファイルを複数ターンに跨いで参照する設計の長セッションでは、トークン消費が体感できる規模で減ります。

合わせて、Bedrock / Vertex / Foundry利用者向けにツール記述文から動的コンテンツを除去し、プロンプトキャッシュのヒット率を改善する調整も入っています。@メンションの生文字列がJSONエスケープされなくなる変更と合わせて、入力トークン側を全体的に削る方向の最適化です。

--bareモードの取り落とし修正

--bareモードでMCPツールがドロップされ、ターン中に積んだメッセージが黙って捨てられる二重の不具合を修正しました。自動化パイプラインからClaude Codeを叩いている利用者は、本版で挙動が安定します。

プロジェクト外ファイルのWrite/Edit/Read失敗

条件付きSkills / Rulesを設定している環境で、~/.claude/CLAUDE.mdのようなプロジェクトルート外のファイルをWrite/Edit/Readしようとすると失敗していた問題を修正しました。グローバルなCLAUDE.mdをClaude Code経由で編集する運用に効きます。

セキュリティ・プライバシー寄りの修正

  • cショートカットでOAuthログインURLをコピーすると先頭20文字程度しかコピーされない問題を修正
  • マスク済み入力(OAuthコードのペースト等)が、狭いターミナルで行ラップしたときにトークンの先頭を露出させていた問題を修正

後者は資格情報の一部がログや画面キャプチャに乗り得るパスのため、本版への更新は地味に重要です。

環境別の個別修正

  • Windows: Skill呼び出しごとに発生していた不要なconfigディスク書き込みを削減(パフォーマンス悪化とconfig破損の双方を引き起こしていた)
  • macOS / Linux: 公式マーケットプレイスのプラグインスクリプトがv2.1.83以降Permission deniedで失敗していた問題を修正
  • macOS: claude.ai MCPコネクタを大量に設定しているときの起動時イベントループ停滞を軽減(Keychainキャッシュを5秒から30秒に延長)

VS Code拡張

  • 長時間実行中に拡張が誤ってNot respondingを表示する問題を修正
  • Maxプラン利用者がOAuthトークン更新(ログインから8時間後)のタイミングで勝手にSonnetにフォールバックされる問題を修正(モデル指定が意図せず格下げされる挙動)

その他の挙動修正

  • /pluginのアンインストールダイアログでnを押すとプラグインを残すはずが逆にアンインストールされる(データディレクトリは保持)操作ミスリードを修正
  • 複数のClaude Codeを並列起動していると、片方で/modelを使ったときにstatuslineが別セッションのモデル名を表示する問題を修正
  • ultrathinkヒントがキーワード削除後も残り続ける問題を修正
  • クリック後にEnterを押すと応答到着までトランスクリプトが空白のまま、という回帰を修正
  • /feedback長大なトランスクリプトを抱えたセッションで使うとOOMクラッシュする問題を修正
  • Markdown / ハイライトレンダキャッシュが内容文字列を保持し続けることで長セッションのメモリが膨らむ問題を修正

v2.1.83 〜 v2.1.89の流れから見たv2.1.86の位置付け

直近の3版を並べると、本版が何をやっている版かが見えやすくなります。

主題粒度
v2.1.83マーケットプレイスプラグイン機構の本格投入中規模機能
v2.1.85セッション永続化フォーマットの更新(背景)内部変更
v2.1.86(本版)v2.1.83 / v2.1.85の副作用を潰す + 周辺最適化パッチ
v2.1.89次の機能追加サイクルへ(deferフック等の権限フロー再設計)次の積み上げ

v2.1.83で入った新機能の副作用(プラグインPermission denied)と、v2.1.85の内部変更の副作用(--resume互換エラー)が、まとめて本版で潰されている構図です。Claude Codeのリリースは「機能追加 → 1〜2版あけて安定化パッチ → 再び機能追加」という波形になりつつあり、本版は安定化パッチ側のクラスタに属します。運用者目線では、この違いを押さえると「様子見か / すぐ当てるか」の判断が早くなります。

まとめ

  • --resumeが止まっていた長期セッションは更新が有用: v2.1.85以前のセッション互換エラーが解消
  • 企業プロキシ運用は推奨: X-Claude-Code-Session-Idヘッダで集計が単純化、プロキシ設定の見直し材料に
  • Jujutsu / Sapling利用は推奨: .jj / .slの自動除外で運用が静かに楽になる
  • Windows / VS Code拡張Maxプラン利用は推奨: configディスク書き込み削減、Sonnet降格修正
  • OAuth URL / マスク入力の漏出修正を含むため、後回しにしないのが穏当

新機能を取りに行くというより、「踏むと業務が止まる類の不具合」を一通り潰した版です。次のv2.1.89で機能追加サイクルに戻る前のクリーンアップ版として位置付けると、リリース全体の流れが追いやすくなります。

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