Claude Code v2.1.110 — /tuiと/focusの分離、モバイルPush通知の追加
Claude Code v2.1.110は/tuiと/focusでフルスクリーン切り替えとフォーカスビューを分離し、モバイルPush通知ツールとRemote Control拡張を追加しました。MCP/Plugin周りのハング系修正も含む土台整備版です。
このリリースで何ができるようになるか
Claude Code v2.1.110は、ターミナルUIの操作系を整理し、長時間タスクを「席を外しても回せる」運用に近付ける土台整備版です。
/tuiと/focusを新設し、フルスクリーン化とフォーカスビューを別々に切り替えられる(従来Ctrl+Oが両方を兼ねていた状態を解消)- Claudeが能動的にモバイルへPush通知を送れるようになる(Remote Control + 「Push when Claude decides」設定が前提)
- SSE/HTTPのMCPサーバ接続が落ちたときに無限ハングする問題を修正(自前MCP・長時間セッションで実利が大きい)
直前の記事化バージョンv2.1.108が /usage とメモリ最適化を入れた版だったのに対し、本版はUIとRemote Controlの足回りを再設計しています。直後のv2.1.111でOpus 4.7 xhighとAuto modeが乗ることを踏まえると、自律実行を任せる前段の地ならしとして読み解きやすい版です。
あなたの開発フローはどう変わるか
TUIを常用しているユーザー
Ctrl+O の意味が「verboseトランスクリプトの切り替え」だけに一本化されました。フォーカスビュー(ツール出力を畳んで会話のみを見る表示)は /focus で明示的に切り替えます。フルスクリーンレンダリングへの切替は /tui fullscreen を打つだけで、同じ会話を保ったままちらつき無し描画に移れます。
/tui fullscreen設定ファイルにも tui 項目が追加され、起動時の既定モードを指定できます。autoScrollEnabled の追加で、長いツール出力を遡って読む際にフルスクリーンが勝手にスクロールしないように固定する選択肢もあります。
モバイル / Remote Control中心の運用
Push通知ツールが追加され、Claude側が「ユーザーへ知らせるべき」と判断したタイミングでモバイルに通知を送れます。長時間タスクを投げて席を外す使い方と相性が良い変更です。さらに /context、/exit、/reload-plugins がRemote Control経由(モバイル / Web)から実行できるようになり、出先でコンテキスト状態を確認したり、プラグインを差し替えた後にリロードしたりがブラウザだけで完結します。
自前MCPサーバ・プラグインを運用している環境
SSE/HTTPトランスポートでMCPサーバへの接続がレスポンス途中に落ちると、ツール呼び出しが無限ハングする問題が修正されました。長時間運用で「片付かない呼び出し」が積み上がる状況に効きます。あわせて /doctor が、同じMCPサーバをuser / project / localの異なるスコープで別エンドポイント定義している矛盾を警告するようになり、「ローカルでは動くのにCIで繋がらない」類の事故を診断段階で拾えます。
CI / ヘッドレス運用
SDK / ヘッドレスセッションが環境変数 TRACEPARENT / TRACESTATE を読むようになり、分散トレーシング基盤にClaude Codeのセッションをそのまま載せられます。--resume / --continue は未期限のスケジュールタスクを復活させるようになっており、CIジョブ中断後の再開シナリオが取りこぼしにくくなりました。
主な変更点
TUI / 操作系
/tuiコマンドとtui設定を追加: 同一会話のままフルスクリーンレンダリングへ切り替え可能Ctrl+Oを「verboseトランスクリプトのトグル」に一本化、フォーカスビューは新設の/focusに分離autoScrollEnabled設定追加で、フルスクリーン時に会話の自動スクロールを止められるCtrl+Gの外部エディタに、Claudeの直近応答をコメント化して挿入するオプションを追加(/configで有効化)/pluginInstalledタブで「要対応」と「お気に入り」を上に寄せ、無効化項目は折り畳み、fキーでお気に入り化
モバイル / Remote Control
- Push通知ツール追加: Claudeが必要と判断したタイミングでモバイル通知(Remote Control + 「Push when Claude decides」設定が前提)
- Remote Controlから
/context//exit//reload-pluginsを実行可能に
セッション / 復元
--resume/--continueが未期限のスケジュールタスクを復活させる- Session recapがテレメトリ無効ユーザー(Bedrock / Vertex / Foundry /
DISABLE_TELEMETRY)でも有効化(/configまたはCLAUDE_CODE_ENABLE_AWAY_SUMMARY=0でオプトアウト) - セッションクリーンアップがsubagentトランスクリプトを含むディレクトリ全体を削除するよう修正
MCP / Plugin / Hooks(運用安定性に効く修正)
- SSE/HTTP MCPサーバ接続が応答中に落ちた際の無限ハングを修正
/doctorが同一MCPサーバを別エンドポイントで重複定義している場合に警告- Plugin installが
plugin.json宣言の依存をマーケット側未記述時にも解決し、自動追加された依存を一覧表示 disable-model-invocation: trueのスキルがメッセージ途中の/<skill>呼び出しで失敗する問題を修正PermissionRequestフックのupdatedInputがpermissions.deny再チェック対象に。setMode:'bypassPermissions'の更新はdisableBypassPermissionsModeを尊重PreToolUseフックのadditionalContextがツール呼び出し失敗時に破棄されていた問題を修正- MCPサーバ(stdio経由)がstdoutにJSONでない行を1行出した時点で切断される(v2.1.105のリグレッション)問題を修正
描画 / 入出力 / セキュリティ
- 非ストリーミングフォールバックretryがAPI到達不能時に数分単位で止まる挙動を修正
- フルスクリーンでツール実行中にテキスト選択するとCPUが跳ね上がる問題を修正
- macOS Terminal.appなど同期出力非対応ターミナルで起動時に描画が崩れる問題を修正
- Bashツールがドキュメント記載の最大タイムアウトを超える指定を拒否
- 「Open in editor」アクションを、信頼できないファイル名からのコマンドインジェクションに対して堅牢化
CI / SDK
- SDK / ヘッドレスセッションが
TRACEPARENT/TRACESTATEを読み、分散トレース連携が可能に - ヘッドレス / SDKのauto-titleが、
CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC等の有効時にも余計なHaikuリクエストを飛ばしていた問題を修正
/tui と /focus の分離が示す、TUI体験の再設計
本版の核は機能追加そのものより、/tui / /focus / Ctrl+O の役割を3系統に切り分けた点にあります。従来は「フルスクリーンに切り替えるとフォーカスモードも一緒に変わる」「Ctrl+O の意味が状態で変わる」など、説明しづらい挙動が混ざっていました。
v2.1.110では次の役割分担です。
Ctrl+O: verboseトランスクリプトのトグルのみ/focus: フォーカスビュー(ツール出力を畳む)を明示的に切り替え/tui: フルスクリーンレンダリングを切り替え
切り分けの効き目は2つあります。1つは「いま自分がどのモードか」をユーザーが把握しやすくなる点。もう1つはRemote Control / スクリプト経由でそれぞれを独立に叩けるようになる点です。Push通知ツールの追加も同じ文脈で、「CLIを凝視して結果を待つ運用」から「結果を通知で受け取る運用」へ設計が寄っていく流れの一部と読めます。
v2.1.111でOpus 4.7 xhighとAuto modeが乗ることまで合わせると、本版は長時間の自律実行を安心して任せるためのUI地ならしという位置付けが見えやすくなります。
まとめ
- 自前MCPサーバ運用: SSE/HTTPの切断時ハングが解消し、長時間運用で「片付かない呼び出し」が積み上がる状況に効きます
- Plugin / Hooks自作チーム: 依存解決と
PermissionRequest再チェックの不具合が直り、自作プラグインの挙動が読みやすくなります - TUI常用ユーザーは推奨:
/tui/focusCtrl+Oのキー割り当てを覚え直すと整合する - モバイル中心運用は推奨: Push通知とRemote Control拡張コマンドが乗る
- CLIヘッドレスのみ運用は任意:
TRACEPARENT連携が必要かで判断
派手な機能追加よりも、UIと運用基盤を再設計した中間リリースです。次のv2.1.111でOpus 4.7 xhighとAuto modeが乗ることを念頭に置くと、本版で整えたUIの意味が立体的に見えてきます。
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